葬儀に関するプロフェッショナルとして働ける「葬祭ディレクター」は、特化した知識を持つ人材として重宝されています。いつの時代も葬儀は人の心に訴えかける重要なプロセスとなるため、葬祭ディレクターの役割はこれからも重要なものとなるでしょう。
そんな葬祭ディレクターを目指すのなら、専門知識と資格の取得が欠かせません。葬儀の形が変わりつつある現代だからこそ、柔軟な知識と対応力を持つことが求められています。
本記事では葬祭ディレクターの概要と、必要な資格、仕事内容について解説します。
葬祭ディレクターとは、葬儀に関する専門知識を学んだ人がなれる職業です。葬儀全般の業務を管理し、滞りなく式を進行するために必要な対応を行うのが役割となっています。
葬儀の基本的な流れや必要な準備についての知識はもちろん、遺族や参列者の方々のお気持ちに配慮する意識も葬祭ディレクターには必要です。専門知識に加えて葬儀に対する心持ちを把握することが、葬祭ディレクターとして働く際の基本になるでしょう。
葬祭ディレクターは昨今、需要の高い職業・役割として認識されています。高齢化によって葬祭業界の需要が高まっているため、葬儀を正しく管理できる葬祭ディレクターは多くの職場で必要となっているのです。
さらに近年は葬儀の方法も多様化し、遺族からさまざまな要望を受け付けるケースもあります。あらゆる状況に対応できる知識を持つ葬祭ディレクターの需要は、ますます高まると想像できるでしょう。
葬祭ディレクターになるには、厚生労働省が認定している「葬祭ディレクター」の資格を取得する必要があります。毎月9月ごろに実施される「葬祭ディレクター技能審査協会」を受験し、合格基準を満たさなければなりません。
葬祭ディレクターの資格がなくても、葬儀関係の職場で働くことは可能です。しかし、葬祭ディレクターとして明確な知識を持つことを証明できないため、対応できる仕事の範囲が狭まったり、葬儀についての話し合いの場で信頼を得るのが難しくなったりする可能性があります。そのため葬祭ディレクターを目指すのなら、まずは葬祭ディレクターの資格取得を目指すのが一般的です。
葬祭ディレクターの資格には「1級」と「2級」があり、1級の方が取得難易度が高くなっています。その分、1級取得者は高いスキルを持つと判断され、就職・転職時に有利となる可能性が高いです。
葬祭ディレクターの資格を受験するには、事前に実務経験が求められます。具体的には1級を受験するには5年以上、もしくは2級取得後に2年以上の実務経験が必要です。2級を取得する際には、2年以上の実務経験が必要です。実際に葬儀関係の仕事で何年働いているかで受験できる階級が変わるため、計画的に受験のスケジュールを立てると良いでしょう。
葬祭ディレクターの資格試験には、学科試験と実技試験があります。学科試験では葬儀関連の知識、社会的環境や遺族の心理、公衆衛生、行政への手続き、宗教関連の知識などが出題範囲です。実技試験では幕張装飾技法をチェックする「幕張」、遺族などへの応接力を試す「接遇」、葬儀の進行が適切かを確認する「司会」、適切な言葉づかいができているかを試す「実技筆記」が行われます。
葬祭ディレクターの試験難易度は、決して高いレベルではありません。これまでの試験結果を参考にすると、1級はだいたい60%程度、2級はだいたい70%前後の合格率となっています。そのためきちんと試験対策を行い、日々の業務を適切にこなしていれば、資格取得は難しくないでしょう。
厚生労働省に認定されている専門学校などに進学し、そこで葬祭ディレクターに必要な知識と経験を学ぶことで、受験資格である実務経験が免除されます。「国際ホテル・ブライダル専門学校」の「葬祭ディレクター科」では、2年間の在学期間を実務経験として認定する制度があるため、卒業と同時に葬祭ディレクター2級の資格に挑戦可能です。すぐに就職が可能となるため、最短ルートで葬祭ディレクターを目指すのなら専門学校への進学がおすすめです。
葬祭ディレクターの仕事内容には、さまざまな種類があります。具体的にどのような仕事を担当することになるのかを、以下で解説します。
葬儀をはじめるまでの打ち合わせや必要な準備を整えることは、葬祭ディレクターの基本的な仕事のひとつです。遺族と話し合って葬儀の詳細や段取りを決めたり、基本的な流れを事前に共有したりといった内容の打ち合わせを行います。遺族の意思を尊重しつつ、可能な範囲で葬儀の規模を決定するのが葬祭ディレクターの役割です。さまざまな面で遺族の負担にならないように、丁寧な対応を心がける必要があります。
葬儀における準備とは、例えば会場の設営、料理・返礼品・花の手配、火葬場との連絡などさまざまです。どれかひとつでも欠けてしまうと葬儀に多大な影響が出てしまうため、責任感を持って業務にあたるようにしましょう。
葬祭ディレクターの仕事内容には、葬儀当日における進行と管理も含まれます。必要に応じて担当者と連絡を取り合い、葬儀の進捗を確認して問題があれば適宜対処するのが葬祭ディレクターの役割です。
また、葬儀当日は遺族の方々が混乱しないように、状況を見ながらサポートをするのも葬祭ディレクターの仕事になります。言われてから行動するのではなく、早め早めに行動することが重要です。また、葬祭ディレクターはご遺体の搬送を担当するケースもあるため、事前に打ち合わせをして当日の流れを把握しておきましょう。
葬祭ディレクターは、遺族に代わって各種手続きの代行を行うこともあります。例えば死亡届の手続きや香典返しの手配を行い、遺族の作業負担を軽減することも仕事です。はじめての葬儀で勝手が分からない方も多いため、カバーできる部分は積極的に支援していくのが葬祭ディレクターの役割となるでしょう。
葬祭ディレクターは、葬儀をまとめる職業として近年注目を集めています。その需要は今後も拡大することが予想されるため、この機会に基本的な仕事内容や資格について把握してみてください。
葬祭ディレクターを目指すのなら、専門学校への進学がおすすめです。国際ホテル・ブライダル専門学校の葬祭ディレクター科でなら、葬祭ディレクター試験の受験条件が免除されるため、スムーズに就職を目指せるでしょう。この機会に専門学校から葬祭ディレクターになる道を、真剣に検討してみてはいかがでしょうか。